望遠鏡をはじめとする天体写真撮影機材の高機能化・価格の高騰によって、星雲・星団写真撮影はすっかり ”お金持ちの趣味”的な存在になってしまいました。
また、webの発達によって世界中の天文台から美しい画像が容易に 入手可能になってきています。
さらに、一昔前まではアマチュアと天文台写真との差はあまりなく、貴重な場合もありましたが、アマチュアによる撮影はすっかり個人的満足の領域になりつつあります。
ここでは、初心者でも比較的低コストで機材が揃えられ、比較的撮影も容易で、天文ファン以外の人にも写真を喜んでもらえる撮影の固定撮影(星景撮影)法を紹介します。

注意)
以下の説明では35mmフィルムカメラの説明です。中判カメラ以上のカメラを所有の方は、適宜換算してください。
目安として、6×7判用レンズの焦点距離に換算するには、ほぼ2倍すれば大丈夫です。
6×7判の標準レンズが105mmであるのに対し、35mm判では50mmだからです。)






1.固定撮影法とは?

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2.必要な機材

 以上の機材があれば、最低限の撮影が可能です。ちなみにすべてを新規でそろえる場合、予算は¥100,000〜 というところです。中古で手に入る場合はより安くそろえることができます。

中古で機材を購入する場合は、

できれば(というか、必ず)自分の手にとって確かめましょう。

webでの通販が増えていますが、小売店による品物の状態(たいていランク付けされています)はまちまちで、前のオーナーの用途によって、ずいぶん違ってきます。
よくあるトラブルは、前オーナーが日の出などの太陽写真を撮影していたため、シャッター幕に穴があいていた・・・
という事例です。
ネットオークションの場合は現物確認ができないため、このようなトラブルが多発しているそうです。また、レンズもカビなどの外観のみのみでなく偏芯(光軸のずれ)が起こっている場合があり、オークション購入は十分注意が必要です(というかお勧めしません)。一方、カメラ販売店の中古品は(よほどの悪質業者か知識がない場合を除き)かなり信頼できるかと思います。それでも、現物での最終確認は必ずしましょう。


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3.あると便利なもの

絶対に必要ではないけれど、撮影には欠かせないアイテムをここでは紹介します。

 
アイテム 必需度 理由
懐中電灯★★★★★ 暗い夜道を歩くのだから当然。手持ちタイプよりも ヘアバンド式の方が両手が自由になるので◎。 月明かりのある夜や、 歩き慣れた道を歩く場合には必要ない場合もありますが、 必ず用意しましょう。もちろん出かける前に電池のチェックも忘れずに。 電池切れで朝まで帰れなくなるという最悪の事態は避けましょう。 赤いセロファン等で覆うと目が慣れやすく、 周囲の迷惑にもなりにくい。
記録用具・時計 ★★★★☆ 撮影記録はなるべく執りましょう。作品展に出すとき などは必ず必要です。時間以外にも、 絞り・露出時間・フィルム等記録することは多い。
筆記用具には鉛筆やシャープペンシルがベター。 ボールペンの場合、あまりに冷え込むとインクが出なくなる場合が多い。
また、思わぬ天文現象(火球の出現など)に遭遇する 場合もあるので時刻合わせは秒単位で合わせておきましょう。
レンズフード ★★★☆☆ 思わぬ外光(車のヘッドライト等)対策になります。 また、夜露や霜対策としても効力を発揮します。 最近の高価なレンズでは大抵、付属品で付いてきますが、 なければ購入や紙などで自作(つや消し黒で塗っておく) も可能。あまり長いものを自作すると 写真に写りこむ(専門用語で「ケラれる」という)ので 極端なものはやめましょう。レンズから3cmくらいはみ 出る長さならまず問題ない。
タイマー★★★☆☆ 残り時間がセットできるキッチンタイマーで十分。 数百円から購入可能。10秒単位でセットできるものを。 時計にタイマー機能があれば特に必要ありません。 もちろん電池の予備は忘れずに。
フィルムピッカー
135mmフィルム用フィルムピッカー
★★☆☆☆ 巻き上げてしまったフィルムから端を引き抜く道具。 \2,000くらい。天体写真の場合、数コマしか撮影しない 場合が多いので何かと役に立ちます。
カイロ・カイロ用炭等
使い捨てでないカイロと炭
↑こんなのです。
★★★★☆ ここでいうカイロは人を暖めるためではなく レンズを暖めるためのもの。使い捨てカイロではなく、 炭等で暖める昔のタイプ。天文機材を扱っている店や一 部の薬店で購入可能。 使い捨てカイロでは応用は利かない(実験済み)。 夏は夜露、冬は霜対策になるのでほぼ一年中欠かせません。 もちろん、カイロをレンズに固定するためのゴムバンド、 点火用のライター等も忘れずに。 なお、燃えきらなかった炭をそのまま周囲に捨て ないように。特に草むらの中で撮影する場合は当然。 これが原因で山火事でも起こればシャレになりませんから・・・
ビニールテープ・工具等 ★★★☆☆ ビニールテープほど役立つ万能アイテムも少ない。 機材の応急処置はもちろんのこと、レリーズやカイロ の固定など様々なことに役立ちます。ただし、あまりに寒い 環境では粘着力が低下するので、そのような場合は暖めて 使用します。工具としては、カメラ用ドライバーや6角レンチ等 があれば事足りるでしょう。
防寒着等 ★★★☆☆ 冬の撮影では当然だが、夏でも撮影地によっては明け方 にぐっと冷え込むことがあります。また、長時間 歩く場合(山頂などからの撮影)には怪我の防止の ためにも、必ず服装は整えましょう。ただ、歩いて数秒 で車まで戻れるような場合にはこの限りではない。
雨具 ★★☆☆☆ 天体撮影には必要ないのでは?
いえいえ、夏の山の天候は急変することが多く、 思わぬにわか雨に遭遇する ことも十分ありえます。当然、人間本体のみで なく機材用のもの(大きめのビニール等)も 用意しましょう。特に遠征する場合に必要。 にわか雨が予想されるような場合には出か けないに越したことはありません。
携帯電話・無線機 ★★☆☆☆ 遠征する場合には緊急連絡手段は欠かせません。 携帯電話の普及ですっかり影をひそめてしまった 無線であるが、星空の美しい僻地や山頂などでは 携帯電話が不通になる場合が多い。 アマチュア無線等のある場合は必ず携帯しましょう。 登山では緊急無線により救助された例も多い。
撮影仲間
(アイテムではありません。
念のため。)
★★★☆☆ 同じ条件で撮影するためライバルでもありますが、長時間 歩くような場合には心強い。撮影中の暇つぶしにもなります。 また、自動車を運転できない学生などにとっては絶対に不可欠。

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4.フィルム

フィルムには大別すると、白黒フィルム、ネガカラーフィルム、リバーサルフィルムの3種類に分けられます。 まずそれぞれの特徴から。 

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5.実際の撮影手順



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6.撮影対象

 まず、すべての対象にいえるのですが、必ずシミュレーションをしましょう。
 最近ではステラナビゲータ(アストロアーツ)やthe sky(天文ガイド編集部)などの天文ソフト が普及しているため、一昔前に比べればかなり楽チンになった。また、フリーウェアも存在するので 探してみる価値はあると思います。最新のものでは光跡が残せる機能や写野が表示できる機能もあるので非常に 便利です。もちろん、地上風景を計算に入れながらイメージしておくことが大切です。
 シミュレーションして、時刻等をチェックする。実際の撮影では、1時間くらい前には 現地に到着するようにしましょう。落ち着いて入念に準備ができるほか、機材を現場の気温に 慣れさせて安定させるねらいもあるためです。

 一口に固定撮影と言っても、撮影対象は様々。ここではその対象の例と撮影テクニックを紹介 します。

  • 星の日周運動



     固定撮影で最も多いのがこの撮影。シャッターを長時間開放しておくことでその時間分の星の移動した 光跡を写すことができます。地上の風景と特定の星座を入れた方法(星景写真)が多いですが、 あらゆる方向で撮影できます(当然、天頂に向けると地上は写りません。念のため。)。
     最も多く撮られるのは、北極星を中心とした北天の日周運動でしょう。また星の移動方向に対して垂直に なっている星座(オリオン座など)ほど見栄えがよく、逆に水平方向になっている星座(さそり座など) は形が崩れやすい。露出時間で調節しましょう。
     ここでは星景写真として撮影法を紹介します。


  • 流星群
     流星を写す方法はいくつかありますが、最も手軽なのが固定撮影です。流星群以外の流星(散在流星) の場合、撮影中に偶然写りこむケースがほとんどですが、ここでは流星群を中心に紹介します。
     2002年ペルセウス座流星群(露出3分)




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    7.さらにレベルアップするために

    ここでは、一通り固定撮影の技術が身についている方のための、さらなるステップアップ するためのアドバイスです。

     28mm(15分露出)

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    8.困った!SOS!

    ここでは撮影の際に実際に起こり得る事態を経験談も含めて紹介します。
             



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